総合馬術 戸本一真 Kazuma Tomoto
所属:日本中央競馬会
ヴィンシーは15歳になるセルフランセ
世界選手権とか大きな試合に行ったとしても
どこへ行ってもリラックスしてて 鉄の心臓を持っている
馬術というスポーツにおいて馬がアスリートで
馬の性格が10頭いれば10頭違うわけで
そうするとトレーニング方法も10通りになりますし
それを考えると新しいパートナーに出会えば出会うほど
また0から全て始まっていって
その馬に本当にこれが合ってるのかな いや違ったな
じゃあ戻ってこれをやってみよう これは合ってたな
という戻ったり進んだりの繰り返しを日々重ねて
競技場に行って本当に合っているのかを確かめて
僕のトレーナーの方針として毎日違うメニューをやれと
総合馬はやっぱり馬場馬術・クロスカントリー・障害という3 種目を
単純に3つやらなきゃいけないというのもありますし
それ以上に馬のメンタル面 例えば馬場馬術が苦手な馬に
「強化月間だ!」って馬場 馬場 馬場 馬場ってずっとやっていたら
もう馬も絶対嫌になると
苦手なことやった次の日は得意なこと
ハードなことやった翌日はもう散歩させてリラックスさせること
とかっていうメンタル面のためにも毎日違うことをやるのがすごく大事だと
(馬の)体調面に関してはグルームのプロが見ててくれて
助けられてるということはよくあるなと感じます
事前にコースを歩いて練ったプラン通り 僕はそれを間違えないように乗るだけで
あとはヴィンシーは何の問題もなく全部やってくれる
人間のミスを馬がカバーしてくれるという まさに馬術の醍醐味だと思うんですけど
ヴィンシーは僕のことを理解してますね
僕も(ヴィンシーを)理解してると言いたいんですけど
僕は80% 85%ぐらいですかね 言葉を喋れるようになれば100%理解できるんでしょうけど
それがないって考えると100%にならないからこそ練習できるし
このスポーツの難しさだし この競技の一番の魅力でもあります
一瞬の栄光と 研鑽の日々と それが馬術