一歩ずつ、一歩ずつ。
俺は歩く。君と歩く。
これが俺。THIS IS ME.

俺の名前はアスールアラテラ。
偉大すぎる父、
ディープインパクトの背中を必死に追いかけながら、
ファンの期待に応えようと走った195戦。
期待に応えることのできなかった189戦。

そして俺は、温かいファンに見守られながら引退。
よく頑張ったと自分に言い聞かせながらも
どこか不完全燃焼だった俺。
そんな俺に新しい道を見せてくれたのは君だった。

君は不思議な奴だった。
恐る恐る俺に触れる手つき、俺に出すサインは弱々しく
君の話す言葉は、どこか遠慮がちに聞こえた。

君は何度も何度も俺に会いに来た。
はじめは離れていた君との距離が
だんだん近づくにつれ、俺の心は満たされていった。
君と過ごす時間は、不思議と心地いい。

誰と争うでもなく、君とゆっくりと歩く時間。
俺が君を必要とするように、君も俺を必要としている気がする。
これが俺の新しい道。

速く走れなくても。誰かに勝てなくても。
俺は誰かを笑顔にできる。
俺はこれからも人と歩いていきたい。